『チームの力』から考える組織運営 -10- ~「方法の原理」の成功確率は6%以下!?~

「すきより」新シリーズ、「『チームの力』から考える組織運営」編。

第10回からは、「方法の原理」についてふれます。
第10回では、「方法の原理」の捉え方についてふれています。

これまでの「すきより」シリーズと同様、
博士と助手ちゃんによる、対話形式で行います。

「方法の原理」の成功確率は6%!?

博士
みなさん、こんにちは。
助手
こんにちわ~!
博士
今回からは、『チームの力』の2番目の原理である、

「(2)方法の原理」

について、見ていくことにします。

助手
ほうほう。
博士
西條先生は、「方法の原理」の定義を、

「特定の状況において使われる、目的を達成するための手段」(P106)

博士
……と定義しています。
助手
逆に言えば、どんな状況でも使える方法なんてない、

そういうことですよね?

博士
そういうこと。

「どんな状況、目的においても機能する
『絶対的に正しい方法』はないのだ」(P107)

「これまで『正しい』と思っていた方法も、
状況や目的が変われば、『間違った方法』になりうる」(P107)

助手
目的については、「価値の原理」でもとりあげたので、ここではふれませんが、

問題は、「状況をどう正確に把握するか」ではないでしょうかね?

博士
というと?
助手
クラウゼヴィッツ的に言うならば、

「状況の4分の3は霧の中」というのが現状でしょう。

状況を正確に把握できる確率は、4分の1しかない。

博士
その「状況の4分の3は霧の中」って、何が根拠なんだろう?
助手
原著を見ていないから何とも言えないですが、
名称たちの戦争学』P117の記述を参考にすると……

  ・元の状況をX、変化した状況をΔXと仮定する

1.元の状況Xを正確に把握している確率が80%
2.ΔXを発見する確率が80%
3.ΔXが何かを見分ける確率が80%
4.ΔXが敵か、味方か、無関係の民間のものかを見分ける確率が80%
5.ΔXの位置情報等を分析し、その行動の中身を分析する確率が80%
6.ΔX情報がタイムリーに送られ、処理される確率が80%

・1~6を全てかければ、0.8の6乗で26%

助手
……ということらしいです。
博士
なるほどねぇ。
助手
加えて、個人的には「目的の4分の3も霧の中」くらいの確率しかないと思うので、

方法の原理が成功する確率は、

0.25(4分の1)× 0.25(4分の1)=約0.06

つまり、6%ってところですかね♪

博士
うわっ、成功確率、低すぎ……
ちなみに、「目的の4分の3も霧の中」の根拠は?


助手
これはさすがにテキトーですが、

「目的が妥当である確率」
「目的をリーダーが維持できる確率」
「目的がメンバーに正しく浸透する確率」
「目的をメンバーが維持できる確率」

とかをかけていくと、多く見積もっても4分の1くらいでは?

博士
もう少し、状況把握の正確性を上げる方法はないものかね?
助手
ま、確実な方法の一つは「現場を見ること」でしょうね。
これがないと始まらない。
博士
ふんばろうプロジェクトも、現場主導であったから、これは間違いない。

ただ、それだと、現場に行ったNPOやボランティア団体が、すべてふんばろうプロジェクトと同じアクションを起こせないとおかしいことになる。

助手
そこは、西條先生および、ふんばろうプロジェクトのスタッフの、戦局眼によるものが大きかったのかも。
博士
戦局眼? 千里眼みたいなものかね?
助手
クラウゼヴィッツは、この戦局眼のことを「クドゥイユ(coup d’oeil)」と呼んでいます。

・戦場に立つや否や一瞬にして利・不利を見破る「勘」
・リデルハートは一瞬にして状況を把握できる「戦さの嗅覚」がないものは
将校の資格がない、とまで言い切っている。

助手
らしいです。
助手
ま、クドゥイユとか戦局眼ってのは、
ベテラン消防士が直感で火元を予測するとかいったお話で、
相当の現場体験がなければ、培われるものではないでしょう。

いずれにせよ、現場で活動して、状況を適切に把握する能力は、リーダーの戦局眼が問われるのでしょうね。

博士
ま、まぁ、とはいえ、
だから「方法の原理」が意味がない、というのは早計ではある。
少なくとも、「絶対的な方法がある」と思い込んでしまうよりはマシだろう。

「方法の原理」は、こうすればうまくいく、というよりは、
これをやらないと確実に失敗する、という類のものだからね。

助手
となると、問うべきなのは、

「方法の原理を用いて成功するには?」というよりはむしろ、

「方法の原理をより見失わせやすい要因はなにか?」

ということになりそうですね。

博士
西條先生は、その要因について、

(2)-1:埋没コスト
(2)-2:前例主義

博士
この2つの観点で考察している。
これ以後、しばらくこうした観点について触れていきたい。

<まとめ>

・「方法の原理」とは、「特定の状況において使われる、目的を達成するための手段」
・「特定の状況」の4分の3は霧の中
・「方法の原理」を成功のための原理と考えると、成功率は6%前後
・「方法の原理」は、「踏み外すと失敗する」類のもの

・方法の原理をより見失わせやすい要因は「埋没コスト」「前例主義」

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