『世界を変える偉大なNPOの条件』-13-

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しばらく、
NPOの協働、ネットワークのありかたについて、
原則と事例両方のアプローチの一環として、

『世界を変える偉大なNPOの条件』(以下、資料と記載)を、
題材に考えていきます。

今回は、偉大なNPOが持つ6つの原則のうち、
「原則4:NPOのネットワークを育てる」をとりあげます。

NPOネットワークでパイを大きくし、資金を増やす

資料では、NPOのネットワークを育てる方法として、
以下の4つを挙げています。

(1)パイを大きくする
(2)知識を共有する
(3)リーダーを育てる
(4)連携する

これから、それぞれについて見ていきましょう。
今回は「(1)パイを大きくする」について。

資料には、以下の記載があります。

「ネットワークで活動を進める最大の利点は、
 活動資金が全体として増えることである。

 多くの組織は個人や財団、政府から資金を集め、
 そのお金を同じ分野で活動するほかの組織に提供している。」

これだけだと、
「パイを大きくする」というよりは、
「パイの分配の問題」にみえます。

 要は、みんなで協力してお金を集めて、
 集めたお金をうまく分配して、
 より効果的に社会課題解決に取り組もうという感覚。

ただ、資料で紹介された事例だと、
確かにネットワークを作った方が、
全体の利益が大きくなるだろう、という事例が2つ紹介されています。

一つは、寄付者リストの共有であり、
もう一つは、ネットワークを通して、より多くの支援金が必要だと、
 政府に見せつけるパターン。

まず、寄付者リストの共有について。
資料には、以下の記載があります。

「さらに、貴重な寄付者リストを提供したり、
 提案書作成や資金調達能力の育成などを行ったりして、
 志を同じくする仲間を間接的に支援する場合もある。」

提案書作成や資金調達能力の育成など、については、
「(2)知識を共有する」でふれます。

注目したいのは、「貴重な寄付者リストを提供」のくだり。
一般企業の場合、顧客リストは最重要機密書類です。

とりわけ消費者対象のB to Cビジネスの場合、
「どの消費者が、自社の商品を愛用しているか」
「どの消費者が、自社の商品に関心を持っているか」

こうしたリストは、絶対に死守すべきものであり、
競合他社にわたるなどもってのほか。

ただ、顧客リストを裏で共有している企業って、
意外とありますよね。
そう、闇金とかの悪徳商法業界。

闇金業者Aを利用した「カモ」の情報は、
同業他社にとっては、
のどから手が出るほど欲しい内容ですよね。

こうした企業同士では、
カモ顧客リストを高値で売買しあっています。
結果、業界全体のパイは大きくなる。

一方で、NPOネットワークの場合は、
リストを売買するわけではないですが、
やっている行為そのものは変わりません。

「より効果的に社会の課題を解決する」ためとはいえ、
それが許される行為であるかどうかは、
議論が分かれそうですね。

ま、第一、個人情報保護法にひっかかる

個人情報保護法にひっかからないようにするには、
寄付を求める時点で、

「よりよい社会課題解決のために、あなたの個人情報を、
同業他社に提供する場合があります。」

と承諾をとらないといけないでしょうが、
あまり承諾してくれなさそうですね。
顧客リストの共有は、
日本では微妙な(かなり物議をかもす)内容ですが、

「ネットワークを通して、より多くの支援金が必要だと
政府に見せつける」

要は効果的なロビー活動。

このやり方は、ネットワークでパイが大きくなることを、
より実感しやすいし、有効なやり方ですね。
ただ、政府のお金は無限大にあるわけではない。
(「輪転機ぐるぐるすれば無限大だよ」という人も、
いるのかもしれませんが…)

NPOの特定団体同士のパイの拡大といっても、、
政府からみれば、やっぱりパイの分配問題になる。

無論、社会課題が解決すると、
その分だけパイが拡大する可能性も出てくるのですが。
(貧困層が就労できるようになる、とかね)

しかし、結局政治の本質は、
 「誰から取り、誰に与えるか」

この問題は、本当に最適な答えがない。

「金持ちから取り、貧乏人に与えるのが筋でしょ」
とみんな言いますが、これも色々と難しい。

NPOのネットワーク、そこから生まれるロビー活動を通して、
 この問題が少しでも納得解に近づくように、
 個人的には願います。

たとえ、それが金融業(闇金でないほう)の、
金融業ットワークによるロビー活動に対して、
(これは、「レントシーキングによる富の収奪」の典型的事例)

http://goo.gl/Zhr5h

NPOネットワークを通しての、
別の形でのレントシーキングとか、
あるいは一種のカルテル、トラストではないかと揶揄されたとしても。

NPOネットワークの一番の目的は社会の課題を解決すること

ただ、NPOネットワークで一番大切なのは、
それを通して社会の課題を解決すること。

資金問題は重要ですが、
それが全てではありません。

例えば、ネットワークを通して、
それぞれの弱みを補完し合うこともできる。

次回は、「(2)知識を共有する」以降をみていきます。

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