『世界を変える偉大なNPOの条件』-1-

今回からしばらく、
NPOの協働、ネットワークのありかたについて、
原則と事例両方のアプローチの一環として、

『世界を変える偉大なNPOの条件』(以下、資料と記載)を、
題材に考えていきます。

 

「偉大なNPO」にまつわる6つの俗説

さて、「偉大なNPOの特徴ってなんだろう?」と考えるときに、
多くの人が挙げるであろう俗説が資料に記載されています。

1.完璧な運営
2.ブランドに対する高い関心
3.革新的な新しいアイデア
4.模範的なミッション・ステートメント
5.従来のNPO評価基準での高評価
6.大規模な予算

結論から言えば、これらの俗説は、
資料で挙げるところの「偉大なNPO」には、
そんなにあてはまっていなかったのです。

個人的には、全部俗説信じてました(笑)

「偉大なNPO」とは、レバレッジ(てこ)をきかすNPO

ここまで書くと、

「ちょっと待て、じゃあ偉大なNPOってなんなの?」

と思いますよね。

まず思いつくのが、「資料の筆者が運営してるNPOのこと?」
それはそれで、ネタとしては面白いんですけどね。

「オレのNPOこそが偉大なNPOで、それ以外は全部二流か三流!」
「まして、オレのNPOを批判する輩は論外!」

な~んてほら吹きまくるのも、それはそれでウケる。
相手にはされないですけど。

ま、冷静に考えれてみれば、
そんな本が人気を博すわけもなく、
まして、多くの社会起業家やNPO関係者が推薦するわけがない。
資料では、その「偉大さ」について、

「偉大さとは、NPOが組織の内部の運営をどうするかよりも、
組織の外の世界に対して以下に働きかけるかという部分に関係が深い」

「偉大な組織は、自力で実現できるよりもっと大きな影響力を生み出すために、
他の組織や人々と一緒に働き、彼らを通じて働きかける」

と記載しています。
要は、レバレッジをきかせるわけですね。

「偉大なNPOは、他者に影響を与え、変化を起こさせることによって、
より小さな規模でより大きな成果を生み出すのである」

コヴィー博士流にいえば、
より小さな影響の輪を原点に、より大きな相乗効果を生み出す、
という言い方もできるでしょう。

偉大なNPOが持つ6つの原則

では、レバレッジをきかせてきた、
偉大なNPOの特徴とは一体何か?

資料では、それを6つの原則として紹介しています。

原則1:政策アドボカシーとサービスを提供する
原則2:市場の力を利用する
原則3:熱烈な支持者を育てる
原則4:NPOのネットワークを育てる
原則5:環境に適応する技術を身につける
原則6:権限を分担する

個人的には、いずれの原則も真新しさはないです。
原則1、3、4、6はNPO業界では昔からいわれていたことで、
原則2は、社会起業家の鉄則であり、
原則5は、いつまでも同じことをやってる市民運動とかをみると実感します。

まぁ、7つの習慣もそうなんですが、
原則というものは、いつもシンプルゆえに難しいのです。

それぞれの原則については、次回以降取り上げます。

最後に ~社会起業家スピリッツ~

上記の内容は、資料第1章の要約なのですが、
第1章では、「最高の社会変革を遂げる」という小見出しで、
社会起業家スピリッツというべきものを紹介しています。

「傷ついた社会に絆創膏を貼るのではなく、
問題の根本原因を根絶したいのだ」

「根本的には、社会起業家精神は外部に焦点を合わせた活動である。
しかも、プロセスではなく結果がすべてである」

「セルプヘルプの創設者マーティン・イーグスは、
『正しいかどうかにこだわるよりも、社会を動かすことが大切だ』
と断言する」

「彼らの間で共有されている考え方、
つまり、影響力を求める執念と現実的な理想主義が、
彼らをより大きな社会変革に駆り立てている」

…どれも、なかなか奥深い内容ですね。

それにしても、マーティン・イーグスの台詞とか、
現実的な理想主義の中身を吟味すると、

社会起業家って、プラグマニストなんだなぁ、と、
しみじみと思わさるところもありますな。

“FIRST PROJECTS, THEN PRINCIPLES”(まずプロジェクト、原理はそれから)

プラグマティズムを代表するリチャード・ローティの言葉です。
次回は、「原則1:政策アドボカシーとサービスを提供する」について、
ふれていきます。

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