『7つの習慣』から協働のあり方を考える -7-

しばらく、協働の「原則論的アプローチ」について、
『7つの習慣』をテキストに使用したいと考えています。

今回取り上げるのは、
第5の習慣「理解してから理解される」

率直に言って、この第5の習慣は、
ほとんどのNPOや市民活動団体において、
非常に不足しているといっても過言ではない習慣です。

まずは、心からの傾聴で相手を理解する

ここでのポイントは、

・理解する:傾聴法
・理解される:自分の意見を受け止めてもらえる(プレゼンテーション)

要は、ほぼコーチングといっても差し支えない。
ま、テクニックじゃなくて、ということなんですが。

「相手の話を真摯に聴く」というのは、
それだけ難しいことなのです。

コーチングのトレーニングを受ければ、
利害関係の弱い「コーチ」としては、相手を理解できるようになります。

ただ、ここで利害関係が強まる関係、
例えば会社の上司や部下、家族、
あるいは交渉先……

こういった利害関係が強まる関係で、
それでも傾聴を続けることは、
実は、相当難しい。

コヴィー博士流にいえば、
第1~第3の習慣が確立されていないと難しい。

プレゼンのコツは「まず相手の不安をいかに引き出し、受容するか」

相手を真摯に受け止めた土台の上で、
ようやく自分も理解してもらえます。
自分を理解してもらう最たるものは、プレゼンですね。

コヴィー博士によると、
プレゼンは、「エトス」→「パトス」→「ロゴス」の順で進むべきもの。

・「エトス」:個人の信頼性。あなたの持つ信頼残高。
・「パトス」:感情移入。相手のコミュニケーションの感情的側面を理解すること
・「ロゴス」:プレゼンの論理展開

一般のいわゆる「プレゼンテーション術」は、すべてロゴス。
エトスとパトスが、忘れ去られがち。

プレゼンの模範として、よく故ジョブズ氏があげられますが、
プレゼンする以前から、エトスとパトスを確立するに足る行動と実績があった。
このことを、見落としがちです。

ま、エトスが確立できていないと、
基本的にプレゼンの場すら与えられないことが多いですね。

プレゼンの際に、大企業とか老舗が有利なのは、
このエトスの点でしょう。

コヴィー博士がプレゼンで重視するのはパトス。

パトスのエッセンスを挙げると、

「あなたが、私(および私が提案する内容)について、
持っている不安を確認したい」

要は、「本当にあなたは(その提案は)大丈夫か?」

この受容がないプレゼンは、
どんなにロゴスがきちんとしてても、ダメ。

ITシステムでいえば、
社長のパトスと、ITシステム部長のパトスと、
ITシステム部担当のパトスは全然違う。

社長のパトスは「システム導入してもうかるか、経費削減できるか」
ITシステム部長のパトスは「社長に納得してもらえるか」
ITシステム部担当のパトスは「本当に動くのか?」

それぞれの不安を理解し、受容してこそ、
システム導入が成功に近づきます。

全体的にここでのプレゼンは、1~2時間じっくり時間をとって、
相手と密なコミュニケーションがとれることを前提にしています。

「3分間プレゼン」とかだと、
相手に質問してる時間もないですけどね。

それでも「相手がどんな不安を持っているか」に普段から関心を持ち、
その不安に対するソリューションを、プレゼンにどう詰め込むかは、
プレゼンの基本ですよね。

人の話を聴くことは自分でコントロールできる

第5の習慣に対する、コヴィー博士のまとめは、以下の通り。

「第5の習慣に大きな力があるのは、
 それがあなたの影響の輪の真中に入っているからである。
 
 相互依存状態における多くの要素は、関心の輪にある事柄なのだ。
 問題、意見の相違、環境条件、他人の行動など、すべてそうだ。

 そして、そこにエネルギーを集中させている限りは、
 エネルギーを浪費するばかりで、
 大きな結果を生み出すことはできない。

 しかし、いつでも相手を理解するように努めることはできる。
 それはあなたがコントロールできること」

…人間関係、自分の思い通りになることなんて、
ほとんど皆無ですよね。
まさに「関心の輪にある事柄」です。

「いや、俺は相手を思うようにコントロールしてる!」という人は、
ほぼ間違いなく、単なる独裁者です。

昔も今も「相手をどうコントロールするか」に、
多くのエネルギーが費やされがちです。
でも、それって、力がなければどうにもならないじゃないですか?
おカネとか、権力とかね。

協働の場を考える上においても、
「無視できない存在になる」ために力を蓄えることは戦略上大事ですが、
その過程において、結局人間関係が問われます。
一人でそんな力を持つことはできません。

結局、着実な道は、
相手を理解するように努める。
そのためには、自分の判断を入れずに、
相手の意見を傾聴する。

ここがミソになってくるのでは、ないでしょうか?
次回は、第6の習慣「相乗効果を発揮する」を取り上げます。

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