『7つの習慣』から協働のあり方を考える -3-

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今回から、協働の「原則論的アプローチ」について、
『7つの習慣』をテキストに使用したいと考えています。

今回取り上げるのは、「依存から自立」の話、
具体的には第1~第3の習慣のお話になります。

この第1~第3の習慣が身についていないと、
協働の原則論を語った、第4~第6の習慣は身につけられませんよ。
そんなお話です。

自分がコントロールできるものに集中する ~第1の習慣~

第1の習慣は「主体性を発揮する」。

社会課題解決に即していえば、
 「社会課題に対して、『他人事』ではなく『自分事』として取り組む」
そんな段階です。

ここで大切になるのは「関心の輪」と「影響の輪」
社会課題の観点から両者を定義すれば、

・関心の輪:自分にとって関心のある社会課題
・影響の輪:自分がコントロールできる範囲

となります。

コヴィー博士は、いかに影響の輪を広げるかが大切だと指摘します。
関心の輪に集中しすぎると、被害者意識が高まり、
そのことで影響の輪が小さくなるからです。

『7つの習慣』では、ガンジーの例が紹介されています。

インドをイギリスが植民地支配していたころ、
インドの国会議員たちはイギリスを批判する声明文を出しました。
単に批判だけしていても、それでイギリスがどうにかなるわけではない。
その点で、国会議員たちは「関心の輪」に集中していたことになります。

一方、その頃ガンジーは、自らの「非暴力・不服従」運動の賛同者を、
草の根で集める活動をしていました。
「草の根で賛同者を集める活動」は、自分でコントロールできること。

もちろん、実際にどれだけ集まるかはコントロールできませんが、
「今日はあの村で100人に呼びかけよう」という行動は、
自分でコントロールできます。

この点で、ガンジーは「影響の輪」を広げる活動をしていたことになります。

コントロールという点で言えば、コヴィー博士は、

・直接的にコントロールできる問題(自分の行動と直結している)
→第1~3の習慣
・間接的にコントロールできる、あるいは影響できる問題(他人の行動と関係している)
→第4~6の習慣
・全くコントロールできない問題(自然現象、過去の出来事など)
→コントロールできないんだから、受け入れる

と指摘しています。

ちなみに、第1の習慣のポイントは、個人的には、

「影響の輪を広げるためには、自分が『なる』こと」
これかなと思っています。

妻が私を愛してくれないなら、私がよい夫に「なる」
子どもが言うことを聞かないなら、私が良い親に「なる」

こんな感じですかね。
社会課題解決の場合だと、難しいところなんですが、
誰よりも真摯に考え、行動する人に「なる」なのかと思います。

ま、そうでないと人はついてこないでしょうし。

ミッションを確立する ~第2の習慣~

第2の習慣は「目的をもって始める」。

最終的には「個人と組織のミッションステートメントを確立しよう」という、
お話になるのですが、
それだと巷のNPO講座と何ら変わらないので、
本をもう少し読み進めます。

第2の習慣では、最初に、「自分の葬式で何と言ってほしいか」という話が出てきます。
ドラッカーも「あなたは、何によって憶えられたいか」と説いてますね。

そこで、「あの人は、○○の社会課題解決に全身全霊で取り組んだ人だった」と、
本当に、あなたは言われたいのか。
そのことを真摯に問う必要があります。

コヴィー博士は、

「すべての行動を測るための尺度として、
 人生の最後の姿を描き、それを念頭において今日という一日を始めることである」

といっています。
ジョブズも、似たようなことを言ってましたね。

あと、

「組織の全員によって作成されたミッションステートメントと、
 上から押し付けられたミッションステートメントとの間には、天と地ほどの開きがある。
 人は他人が決めたことに対しては決意しない。」

という指摘がされています。

ま、これも巷のNPO講座で指摘されることですが、
やっぱり重要なポイントですね。

ミッションが骨の髄まで浸透してないと、優先順位は決まらない ~第3の習慣~

第3の習慣は「重要事項を優先する」

第三の習慣の本質は「感情を目的意識に服従させる」こと。
コヴィー博士は、

「成功者たちの共通点は、成功していない人たちの嫌がることを、
 実行に移す習慣を身に付けているということである。
 彼らにしてみても、必ずしも好きでそれを行っているわけではないが、
 自らの嫌だという感情をその目的意識の強さに服従させているのだ」

この「目的意識」は、ミッションステートメントのこと。
この点で、よく私たちは、モチベーションに依存しがちです。

「もっとモチベーションがあれば、もっといろいろできるのに…」
なんてボヤキをしてしまうのは、私だけではないでしょう。

一見すると「成功者=モチベーションにあふれた人」と考えがち。
 社会起業家なんて「世界を変えてやるぜぇ!」というモチベーションで、
 あらゆることを嬉々としてやり遂げてるんだろう、と考えがち。

でも、コヴィー博士もいうように、
そういうわけでもないでしょう、と思う。
組織運営のあらゆる業務を、嬉々としてこなせるとは思えない。

 やっぱり、「ミッションステートメントからすれば、やって当たり前のこと」を、
 とにかくやり抜く、という側面も強いだろう、と思います。

だからこそ、ミッションステートメントが、
自分の、そして組織の骨の髄まで浸透することが大事。

そして、ミッションステートメントが浸透していれば、
優先順位をつけることができるようになる、とコヴィー博士は指摘します。

「次の3つのうち自分の弱点が一つあるとすれば、それはどれだろうか。

(1)優先順位をつけることができない
(2)その優先順位を中心に計画することができない
(3)計画に基づき行動するように自分自身を律することができない。

 ほとんどの人は(3)と答えるが、一番の問題点は、
 自分自身の優先順位が、
 深く頭と心に植え付けられていないということである。

 それはまだ真の意味での第二の習慣が実行できていないのだ。
 そして自分のミッションステートメントに対して、
 まだ本当の決意ができていないのである。」

別の言い方をすれば、

ミッションステートメントを明確化、先鋭化すればするほど、
 優先順位の低いものに「No」と言うことができるようになります。

一新塾では、このプロセスを「削ぎ落とす学び」と表現しています。
http://www.isshinjuku.com/

ま、この点をもっとも的確に表現しているのは、

 ”方向を間違えたり、やりすぎたりしないようにするには、まず
 「本当は重要でもなんでもない」1000のことに『ノー』と言う必要がある”

というジョブズの言葉でしょう。
この言葉は、優先順位がわかっている人にしか使えない。

具体的に、優先順位を考える上で重要なのが、
緊急度と重要度で区分した、時間管理のマトリクス。

・第一領域:緊急でかつ重要
・第二領域:緊急でないが重要
・第三領域:緊急だが重要でない
・第四領域:緊急でも重要でもない

ポイントは「第二領域をいかに確保するか」
そして「第三、第四領域をいかに減らしていくか」

優先順位の低いものに「No」と言うのは、
第三、第四領域を減らすために必要です。

NPOの場合、

「ミッションステートメントから見て、
 今の活動は本当に第一領域なのか? 第三領域ではないか?」という問いを、
 自らに投げかける必要が出てくるでしょう。

そして、この問いは、本当に苦しい問いですね。
それでも、社会課題解決を先鋭化するには、
避けられない問いといえます。

そして、少なくともNPOリーダーや社会起業家たちは、
第二領域の活動を行う時間を、どのように捻出するかを、
問う必要があるでしょう。

おわりに

ここまで書いた内容は、別に真新しいものでも何でもない。
昔から言われていることです。

しかし、それができていないケースが非常に多いのも、
また事実だったりします。

私自身、ミッションステートメントが明確化、先鋭化しているかといえば、
まだまだ弱いです。

その点では「お前が言うな」という批判は、確かにその通りですね…

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