『7つの習慣』から協働のあり方を考える -2-

しばらく、協働の「原則論的アプローチ」について、
『7つの習慣』をテキストに使用したいと考えています。

今回取り上げるのが、全ての習慣の前提となる考え方である、
「インサイド・アウト」という、ものの見方・考え方。

「インサイド・アウト」の定義

コヴィー博士のいう「インサイド・アウト」とは…

「インサイド・アウトとは、自分自身の内面(インサイド)を
 変えることから始めるということであり、

 自分自身の根本的なパラダイム、人格、動機などを変える事から
 始めるということである」

と本には書かれてます。

 要は、あらゆる問題は自分自身の「内」にあって、
 それを変えないと問題は解決しない、ということです。

パラダイムとは「ものの見方、考え方」のフレームワークのこと。
「世界を変える」話から言えば、
「世界=自分のパラダイムから見た世界」と言い換えることもできます。

別の言い方で言えば、

「自分の内面を変える→自分の行動を変える→周囲を変える」

この順番を大切にする、ということにあります。

これに対して、「アウトサイド・イン」という考え方は、
あらゆる問題は自分自身の「外」にある、と考えます。

「何らかの手段(お金、武力、テクニックなど)→周囲を変える」

といいかえることもできるでしょう。
「○○さえいなくなれば、変わってくれれば」は、
アウトサイド・インの典型です。

「インサイド・アウト」について陥りがちな考え方

ここからは、「インサイド・アウト」について、
陥りがちな考え方について紹介します。

(1)「インサイド・アウト」=「自己責任」「自分が悪い」

「インサイド・アウトって、まず自分から始めよう、ってんだから、
要は自己責任でがんばれ、ってことでしょ?」
「要は悪いのは他人じゃなくて自分、ってことだよね?」

こういうふうにインサイド・アウトをとらえてしまうと、
単なる自己卑下に陥る可能性大。

または、

「私がいじめられてるのは、私に問題があるからだ」
「私が就職できないのは、私に能力がないからだ」

とか、一面的なものの見方、考え方をしてしまうこともありうる。
でも、そんなわきゃないでしょうよ。

私にコントロールできる範囲で私の行動を変えていくことはできますし、
また、そうすべきなのですが、
それで問題が全て解決するわけじゃない。

とくに、いじめ、とりわけ日本的(?)な「抗空気罪いじめ」の場合、
コヴィー博士の言葉を借りれば、

互いに単に依存しあってる(「相互依存」ではない。詳細は別の記事で)人間同士が、
自立している(詳細は次の記事で)人間に対して、
KYのレッテルを貼ることで生じるケースだって、
十分にありえる。

(2)「インサイド・アウト」を人に説くことの怖さ

(1)の誤解をしたままで、それを人に説くことは、
さらに厄介な問題を引き起こします。

とりわけ、自己努力で社会的な成功をおさめた人は、
何かと自己責任を語りがちになります。
その文脈で「インサイド・アウト」を語ってしまいがちです。

「お前らが成功できないのは、インサイド・アウトしてないからだ!
俺を見習え!」とかね。

ま、ちょっと考えてみればわかるように、
人に変わることを要求してる時点で、
これは典型的なアウトサイド・イン。

(3)「インサイド・アウト」は、待ってても起こりにくい

たとえば、上司が嫌いで嫌いでたまらない人が、
突然、何のきっかけもなく、その上司のことが好きでたまらなくなる。
その結果、上司に対する態度が変わって、上司との関係がよくなる……

こんなのは、「インサイド・アウト」ではありません。
そんな奇跡を期待してはいけません。

そして、「上司のことを好きになろう、好きになろう…」と何万回念じてみたって、
それだけでは効果は薄いでしょうね。

社会課題に対して、インサイド・アウトの第一歩を踏み出そう

結局のところ、「インサイド・アウト」というのはそんなに仰々しい話ではなく、

 「私ができることを、私が率先してやっていこう!」という、
 それだけのお話なのだと思います。

 「インサイド・アウトの考え方では、私的成功が公的成功に先立つ」

と、
コヴィー博士は言っています。

「私的成功が公的成功に先立つ」だけを切り取ると、
「まず私がお金持ちにならないと、社会のために何かするなんておかしい」という、
よく言われがちな「あのお話」のことだと勘違いしがちですが、

ここでコヴィー博士が言いたいのはそんなことじゃなくて、
「私ができることを、私が率先してやっていこう!」と思って行動しないと、
多くの人を巻き込んだ偉大なことはできない、ととらえるべきでしょう。

その点で、社会課題に対して、社会起業家たちは、

「私ができることを、私が率先してやっていこう!」と考えて、
インサイド・アウトの第一歩を踏み出した人々である、ともいえます。

まとめると、
「依存から自立へ、そして自立から相互依存へ」のうち、
依存から自立へ踏み出す第一歩となる考え方が、インサイド・アウトになります。

次回、「依存から自立」の話、具体的には第一~第三の習慣のお話をします。

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