「協働」「業務提携」はなぜ難しいのか

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「世界を変える」というとき、
「世界=自分の見えている範囲」であり、

この前提に立つときに派生する様々な問題について、
考えていくことにします。

その問題は、以下の4つであると指摘していました。

(1)半径5メートルの世界観
(2)「俯瞰を断つ直視の眼」パラドックス
(3)タコツボな世界観
(4)タコツボ同士の「すりあわせ」は可能か?

今回からは、(3)の「タコツボな世界観」について、
ふれていくことにします。

一般的に「タコツボ化」とは、
外界との接触が少なく狭いコミュニティーに居るさまを指します。

よく、タコツボ化が語られる状況としては、

・組織内タコツボ化:

職務の専門化と細分化によって、連携がとれにくくなっている
自分の部署の都合しか考えない、部署間のセクショナリズム

・ネットのタコツボ化

自分にとって心地よい情報しか選択しない
同じ価値観同士の人で構築するSNS

などがありますが、
ここでまず考えたいのは「組織間のタコツボ化」です。

「協働」「業務提携」はなぜ難しいのか

非営利組織の場合だと、タコツボ化が語られるケースは、

「団体のタコツボ化を超えて、さぁ、協働だ!」

なんて語られ方をします。
NPO関係のセミナーとかに出たことのある方などは、

「そうそう、この業界、よく協働うんぬんのセミナーやってるよね」
「行政との協働とか、企業との協働とかね」
「協働っていっても、実質下働きだったりするケースがほとんどじゃ?」

関係者の皆様は、うなずけるのでは?

営利企業の場合、タコツボ化が語られるケースは、
このままだと経営が危ない場合が多いですね。

「このままだと、A社に顧客を奪われる!」とか。

で、生き残り策、シェア拡大策の一環として、
業務提携がなされることがあります。
業務提携は、NPO業界での協働と、ほとんど意味は同じです。
(ここでは、資本提携については触れません)

 

※業務提携と資本提携の違い

・資本提携:
資本の移動を伴った企業提携を指し、
一般的にはM&Aと呼ばれている。
株式取得や営業分割、会社合併など

・業務提携:
資本の移動を伴わない企業提携のことであり、
複数の企業が独立しながら相互協力関係を結ぶ。
形態としては生産提携や技術提携、販売提携などがある

 

でも、NPOでも企業でも、
この手の協働とか業務提携って、なかなかうまくいってない。

なぜ、協働や業務提携はうまくいかないのか?
いくつかの要因を考えてみましょう。
その要因とは……

・協働に割ける人材がない
・相手側に提供できるメリットが弱い
・予想よりも「うまみ」が少ない
・「価値観」の相違

まず、「協働に割ける人材がない」
これは、NPOの場合だと顕著です。

NPOの場合、協働しようなんて話は、
基本は代表レベルで進めていくことになります。
(メンバーから、協働についての話が飛び出し、
交渉もメンバー自身が担当する、というのは、
かなり人材的に恵まれたNPOですね)

でも、たいてのNPOは、
代表は「プレイングリーダー」であることが多いので、
現場のことで手が離せません。

結果、よほど切羽詰った内容でもない限り、
協働は進みにくい。

(お金に関することは切羽詰って交渉するでしょうがますが、
それはほとんどの場合協働ではなく、ファンドレイズ)

一般企業でも、よほどの大企業でもない限り、
自社内で業務提携の細かい作業ができる企業は皆無でしょう。

一般企業の場合、通常は、
仲介業者(法律事務所、コンサル会社など)が仲介にたって、
事業提携交渉を進めていきます。

 べき論で言えば、NPO業界にも、
 協働を進める仲介業者が必要なのですが、
 なかなかうまくいっていません。

さらにべき論を言えば、
こうした仲介業者役として期待されるのがNPOセンターですが、
NPOセンターも、積極的に「協働に割ける人材がない」のが、
現状のようです。

また「相手側に提供できるメリットが弱い」
これは、NPOだろうと企業だろうとそうですね。

まずは、自分たちの「商品価値」を高めなければ、
どうしようもありません。

NPOと企業との協働が難しいのは、
NPO側が、企業に対して、
自分たちの商品価値が企業側にどう役立つかを、
説明しづらいところにあります。
(それに比べれば、NPOと行政との協働はまだやりやすい)

もっとも、BOPビジネスの現場では、
逆に企業側がNPO、社会起業家サイドにどう歩み寄れるかがカギ。

端的に言えば、NPO、社会起業家サイドから、
「この値段じゃBOP層は買えない。もっと安く」といわれたときに、
企業側が対応できるか。

難しいですよね。

ここまでは、協働、事業提携するまでの話。
次回は、その後に出てくる、

「予想よりも『うまみ』が少ない」
「『価値観』の相違」

の話をしていきます。

特に、「『価値観』の相違」という問題は、
それぞれにとっての「世界」が違うために起こる、厄介な問題です。

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