CSVの疑問及び今後の課題 -4-

Pocket

今回からは「CSV」という考え方の、
疑問及び今後の課題を取り上げてみたいと思います。

「CSV」とは「Creating Shared Value(共通価値の創造)」の略。

個人的に考えられる、CSVの疑問及び今後の課題は、次の5つ。

(1)「CSV=多国籍企業(大企業)」なの?
(2)企業とNPO、社会起業家との協働は簡単か?
(3)輸送コストと現地生産、どちらが安い? 
(4)消費者が品質よりも安さを重視した場合、
   調達段階で買いたたく行為は止められないのでは?
(5)CSVとグローバリゼーション

今回は「(4)消費者が品質よりも安さを重視した場合」について、
考えてみることにします。

これまで、ネスプレッソの例で見てきたように、
消費者が品質を求めている場合は、
調達段階で安く買いたたくよりも、
長期的に現地と良い関係を築いたほうがいい。

しかし一方で、

「コーヒー? そんなのどれも一緒でしょ?
 全部苦いんだから、1円でも安い方がいいに決まってるじゃん」

という消費者も、確実に存在します。
とどのつまり、私のような。

そんな(私のような)消費者が多数を占めている場合、
ネスプレッソの戦略は一部の消費者向けのニッチ戦略にとどまり、
大半は、やっぱり「いかに安く買いたたくか」に落ち着いてしまう。

こうした現状に対して、従来からとられているアプローチは、
 「現状を直視させ、道徳心に訴える」というもの。

コーヒーでいえば、映画「おいしいコーヒーの真実」とか、
そうした「不都合な真実」を訴える、ってやり方。

このやり方は、たいてい
「フェアトレード」「企業悪玉論」とセットになっています。
フェアトレードを通して、悪い企業からではなく、
正しい方法で購入しよう! みたいな。

(でも、ホントは、「1円でも安く」を求めているのは、
私たちなんですけどね)

CSVはそうした流れに対しての企業側の対抗策、ということもできます。

ただ、フェアトレードであろうとCSVであろうと、
現状は「高い(そのぶん品質はいいけど)」のであって、
私のようなケチや、貧乏人にはきついことには変わりがない。

とりあえず、エコ関係で成功しているものは、
 たいてい「その方が安くすむから」。
まぁ、身も蓋もない話ではあるのですが。

現状のフェアトレードやCSV戦略は、
中産階級やセレブ向けとしてはいいのですが、
今後、日本も「一億総中流」が崩壊し、
本格的に貧富の格差が広がっていくでしょう。

そうなったときに、貧困層に対して、
(日本の場合は、基本はあくまで相対的貧困ですが)

それでも途上国向けのCSVを推し進めるのか
(具体的には、安さとCSVのバランスをとる)

それとも、貧困層は除外して、
途上国のCSV商品は、セレブに特化するのか。

今後は、CSVを推し進める場合、
こうした壁にぶつかるのでしょうね。

Comments

comments

Pocket

「社会起業電脳研究室」無料メルマガ

上記の記事を、ホームページに更新されるより前に、 読みたくないですか? そんなせっかち(もしくは奇特な?)アナタに、 「社会起業電脳研究室」メルマガはオススメです。