現代版三方よし・CSV論 -6-

しばらく、「CSV」という考え方について紹介していきます。

「CSV」とは「Creating Shared Value(共通価値の創造)」の略。
資料として用いるのは、
『Diamondハーバード・ビジネス・レビュー(以下「資料」と表記)』の2011年6月号。

今回からは、共通価値の創造戦略の2番目である
「バリューチェーンの生産性を再定義する」についての話をします。

資料では、共通価値の考え方では、
バリューチェーンの生産性を上げるためにどうしたらよいかを、
豊富な事例つきで紹介しています。

具体的には、以下の分野での事例が紹介されています。

・エネルギーの利用とロジスティックス
・資源の有効活用
・調達
・流通
・従業員の生産性
・ロケーション

それでは、各分野について紹介します。
各分野とも

「まだ道半ばであり、その成果は数年後に現れてくるだろう」(P18)

といったレベルですが。

エネルギーの利用とロジスティックス

「エネルギーの利用」と書いてますが、
エネルギーの利用については、事例はありません。

ただ、資料にもある「コジェネレーション」は、
今後事例も増えてくると思います。

ちなみに「コジェネレーション」とは、
排熱を利用したエネルギー供給システムです。

従来無駄に捨てていた排熱を使って、
さらにエネルギーを生み出そうというシステム。

六本木ヒルズでは、
すでに「コジェネレーション」を導入しています。

ロジスティックスとは、
原材料調達から生産・販売に至るまでの物流を
企業が合理化するための手段。

事例では、輸送コストをとりあげています。

「輸送距離の短縮、出荷作業の効率化、走行ルートの改善に向けて、
ロジスティックスの再設計が始まっている。
その各ステップについて、もれなく共通価値が創造される」(P18)

そこに取り組んだ事例として、
イギリスの小売企業マークス・アンド・スペンサーをあげています。

「南半球で購入して北半球に輸送するのを止めるといった簡単なことを含めて、
このサプライチェーンを大々的に見直すことで、
2016年度には、年1億7500万ポンドのコスト、
および大幅なCO2排出量を削減する見込みである」(P18)

資源の有効活用

水利とか、包装とかの見直しは、
企業にとってもコスト減をもたらします。

「コカコーラは、全世界における水の消費量を、
2004年の水準から9%削減している」

「ダウ・ケミカルは、同社最大規模の生産拠点における真水の消費量を、
10億ガロン(約37億8500万リットル)削減することに成功した。
最終的には、400万ドルのコスト削減に成功した」

「節水技術への需要が高まっており、
世界有数の点滴灌漑システム(農作物の根の近くに、
文字通り点滴のように水を供給する技術)メーカーの
インドのジェイン・イリゲーションは、
この5年間で年平均41%の成長率を達成している」(P18)

調達

これまで、原材料を調達するときに、
いかに「安く買い叩くか」に重点がおかれました。

商売の基本は「安く買って高く売る」こと。
であれば、「安く買い叩くか」は、
短期的に見れば悪くないように見えます。

しかし、

「一部の企業は、不当な扱いを受けたサプライヤー(生産者)は生産性が低く、
また品質についても、改善はもちろん、その維持すら難しいことに、
気づき始めている」(P19)

長期的に見ると、安く「買い叩こう」とすると、
高く売れなくなる、ということです。

事例として紹介されているのは、
ネスレの「ネスプレッソ」
http://www.nespresso.com/jp/jp

エスプレッソのコーヒー豆エキスを独特のカプセルにパッケージして、
それをやはりオリジナルのコーヒーメーカーで抽出する。
飲むには両方買わないといけない点がいやらしい。

当然飲んだことはないですが、
プレミアムコーヒーとしては、かなりおいしいらしいです。

それはともかく、資料で取り上げているのは、
いかにして品質の高いコーヒー豆を調達しているか、という点。

「たとえば、農法に関するアドバイスを提供したり、
銀行融資を保証したり、
苗木、農薬、肥料などの必要資源の確保を支援するなど、
栽培農家と密に協力した」

「購入時にコーヒー豆の品質を測定する施設を現地に設置した。
くわえて、高い品質の豆には価格を上乗せし、
しかも農家に直接支払うようにしたところ、
農家のやる気が高まった」

「栽培農家の所得は増え、農地への環境負荷は減った。
そしてネスレは、品質の高いコーヒー豆を
安定的に入手できるようになった」(P19)

ポイントは「優れた現地サプライヤー(生産者)」を育て、協働し、
また現地購入することの大切さ。

まぁ、最近のフェアトレードは、ここまでやってナンボの世界なので、
その点で、無理に共通価値とフェアトレードを
分ける必要もないのかもしれませんが。

残りの分野は、次回取り上げます!
お楽しみに!

Comments

comments

「社会起業電脳研究室」無料メルマガ

上記の記事を、ホームページに更新されるより前に、 読みたくないですか? そんなせっかち(もしくは奇特な?)アナタに、 「社会起業電脳研究室」メルマガはオススメです。