現代版三方よし・CSV論 -4-

今回からしばらく、「CSV」という考え方について紹介します。

「CSV」とは「Creating Shared Value(共有価値の創造)」の略。
資料として用いるのは、
『Diamondハーバード・ビジネス・レビュー(以下「資料」と表記)』の2011年6月号。

企業と地域の相互依存性 -「共通価値の創造」のルーツ-

ポーターは本来、

「企業競争力の源泉は、企業を取り巻く地域社会の健全性と切っても切れない関係にある(P13)」

と定義します。

企業にとって地域社会は、

「製品への需要を生み出し、重要な公共資産や支援環境を提供」してくれる。

地域社会にとって企業は、

「地域住民に雇用と富を創出するチャンスを与えて」くれる。

本来、企業と地域社会は相互に依存している。
なんか、あたりまえのようなことが書かれていますが、

この「あたりまえのようなこと」を、
政府やNGO、企業(資本主義)両サイドが見落としているところに、
問題がある、というわけです。

そして、ここに共通価値の創造のルーツがある、ということになります。

政府やNGOが、単純に(正義感で?)規制を強化することは、

「企業の生産性や競争力を低下させる公共政策は、いずれ行き詰まる」
「生産拠点や仕事を簡単に別の場所に移動できるグローバル経済にあっては、とりわけそう」(P13)

とポーターは指摘してます。
日本の現状を見ても、この指摘は考えさせられるものがあります。

じゃあ、企業はいままで通り儲けを最大化すれば、
「地域住民に雇用と富を創出するチャンスを与えて」るからいいのか。

いいんです! といったのはミルトン・フリードマン。

とはいえ、儲けの最大化のために、
リストラや人員削減、
低コスト地域への移転、アウトソーシングやオフショアを実施したりしてると、

「地域を犠牲にして利益を生み出した」と地域の人が考えたり、
実際に地域との接点がなくなったりして、
健全な相互依存性が崩れますよ、とポーターは指摘しています。

もちろん、
「じゃあ、リストラや企業移転を法律で禁じたらいいじゃないか」というのは、
企業の生産性や競争力が低下するので、意味がありません。

そうではなく、企業戦略を見直すことで、
企業と地域の健全な相互依存性を強化しようというのが、「共通価値の創造」です。

「共通価値の創造」のための戦略

では、戦略論の大家、ポーターは、
共通価値を創造するために、どのような戦略を提示するのか?

それが、以下の3つです。

(1)製品と市場を見直す
(2)バリューチェーンの生産性を再定義する
(3)企業が拠点を置く地域を支援する産業クラスターをつくる

ここで、用語解説。

・バリューチェーン

もともと、この用語自体、ポーターが定義したもの。

ポーターはバリュー・チェーンの活動を主活動と支援活動に分類。

主活動は購買物流 (inbound logistics)、オペレーション(製造)、
出荷物流 (outbound logistics)、マーケティング・販売、サービスからなり、

支援活動は企業インフラ、人材資源管理、技術開発、調達から構成される。

バリュー・チェーンという言葉が示すとおり、
購買した原材料等に対して、各プロセスにて価値(バリュー)を付加していくことが
企業の主活動であるというコンセプトに基づいたものである。

(売上)-(主活動および支援活動のコスト)=利益(マージン)であるため、
図示した場合にはバリュー・チェーンの最下流にマージンと記載される。

詳細はWikipedeiaより。長いので短縮しています。
http://goo.gl/rrnsf

 

・産業クラスター

この用語も、もともとポーターが定義したもの。

「特定分野における関連企業、専門性の高い供給業者、サービス提供者、
関連業界に属する企業、関連機関(大学、規格団体、業界団体など)が地理的に集中し、
競争しつつ同時に協力している状態」をいいます。

2011年のタイ洪水で被害を受けた地帯も、
自動車業界を中心に産業クラスターになっていたといえます。

次回は、「製品と市場を見直す」についての話をします。
具体例も紹介するので、お楽しみに!

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