『世界を変える偉大なNPOの条件』-25-

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しばらく、
NPOの協働、ネットワークのありかたについて、
原則と事例両方のアプローチの一環として、

『世界を変える偉大なNPOの条件』(以下、資料と記載)を、
題材に考えていきます。

今回は、偉大なNPOが持つ6つの原則の
「原則6:権限を委譲する」に関連して、
偉大なNPOと理事会との関係を紹介したいと思います。

黒子の理事会

偉大なNPOと理事会との関係を考える上で、
第一に押さえておきたい点は、

「やっぱり、理事会は黒子」だという点。
資料には、

理事会が効果的でなければ、
組織は沈みかねない。

しかし、事がうまくいったからといって
理事会が功績を認められることはめったにない

組織を率いる上で重要な役割を果たすが、
活躍の場は舞台裏である

と記載されています。

前回、理事会の役割原則論にふれました。
もう一度記載します。

(1)団体の事業と組織がミッションを実現させるよう、
   総合的な観点から推進しチェックする
(2)事業の推進、新しい事業の開拓、事業の評価
(3)組織の維持・発展、リスク管理
(4)財源の確保
(5)事務局の運営(人事、労務管理)
(6)対外関係の処理

これを見ても、確かに黒子的な役割ではありますね。

偉大なNPOの理事数は20~40人!

第二に押さえておきたい点は、

「規模が大きくて在職年数の長い理事も多い」

前回、NPOの理事とは、
株式会社で言えば、取締役になるという話をしました。
理事会は、株式会社でいえば役員会ですね。

従来、企業では、
取締役は3人以上となっていましたが、
新会社法では、取締役は1人でも大丈夫です。

そんなわけで、ほとんどの企業では、
取締役で3人程度、
大企業とかになると、執行役員というのがでてきますが、
それでも10人前後ですね。
しかし、資料によると、偉大なNPOでは、

特に企業の役員会と比較すると、
その規模は目を見張るほどで、
理事の数は20~40名にものぼる

40名って。

いったい何をやってるの?
単なるお飾り?

そういうわけではなくて、

 NPOの場合、影響力を広げるために、
 いろんな立場の人に理事になっていただく必要がある。

お金持ちだって必要ですが、
それが1人だと、その人が大変になったらヤバイ。
リスク分散のためにも、複数人いたほうがいい。

活動地域で影響力のある人とか、
できれば政治家とかも理事になっていたけれれば、
活動もやりやすい。

資料には、

おそらくこれは、影響力を及ぼすために、
内外の利害関係者と非常に多くのやりとりが必要だからだろう。

さまざまなスキル、背景、社会的ネットワークを持つ、
幅広い層を持つ理事会が必要なのである

とありますが、
そりゃそうだ、といったところ。

で、こうした理事たちは、
在職期間が長いのが特徴。

ま、偉大なNPOでは、
代表から幹部の在職期間が長ければ、
理事の在職期間も長い、というわけです。

偉大なNPOでの理事の役割は、
資金集めプラス内部コンサルタント

前回、理事会原則論で、
理事会に求められるのは、ほぼ財源の確保であり、

持っている財産やネットワークなどを使って、
いかに資金を集めていただくかが、理事会の役目だと書きました。

この点においては、
偉大なNPOだろうと何だろうと変わらない。

加えて、偉大なNPOでは、
理事会には、いわば内部コンサルタントとしての、
役割も求められている。

法律、マーケティング、財務などの専門知識や、
政府や民間企業での経験や人脈を持つ人からなる混成組織となっており、

運営幹部らのスキルや経験を補う役割を果たす

そういった理由からも、
理事会の人数が多くなるのですね。

代表と事務局と理事会の権限バランスを保つ

第三に押さえておきたい点は、

「事務局と理事会の役割が高度に分担されていて、
一定の緊張を保ちながら、相互に助け合っている」

前回も書きましたが、
たいていのNPOでは、

理事会はお飾りになっているか、
事細かに事務局に関与する、というより、
組織を自分たちの思うようにコントロールしようとする。

重要なのは、

・代表と事務局と理事会の権限のバランスが絶妙に均衡している
・代表と事務局と理事会で相互に密なコミュニケーション、
説明責任を果たしている

という点でしょうか。

おそらく、この権限のバランスは、

・代表は「決定」に責任を持ち、事務局と理事会への説明責任を持つ
・事務局は「実行」「現場の課題吸い上げ」に責任を持ち、
代表と理事会への説明責任を持つ
・理事会は「サポート」に責任を持ち、
代表と事務局への説明責任を持つ

といったバランスになるのでしょうか。
説明責任とは、いいかえれば納得責任ですから、
いかに相互に納得しあえるまで説明するか。

その点で、なあなあや放任ではない、
一定の緊張があるといえます。

本来であれば、企業でも社長と役員会と社員との間には、
こうした一定の緊張関係があるにこしたことはないのですが。

現状、社長は決定に対して説明責任を果たさないことが多く、
(「つべこべいわずにやれ!」でさせる)

現場の社員の自主性が強すぎて、
社長への説明責任がうまくいかないことも多々ある。
(社長も、現場丸投げになってしまったり)

ただ、NPOの場合、企業と違って、
代表は社長ほどに強制力、権限がないため、
説明責任を果たさないと、現場はなかなか動かなかったりします。

むしろ、現場が代表と対立するケースのほうが、
多いですよね。

…次回は、「原則6:権限を委譲する」の、
まとめ的な話をしたいと思います。

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