『世界を変える偉大なNPOの条件』-21-

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しばらく、
NPOの協働、ネットワークのありかたについて、
原則と事例両方のアプローチの一環として、

『世界を変える偉大なNPOの条件』(以下、資料と記載)を、
題材に考えていきます。

今回からは、偉大なNPOが持つ6つの原則のうち、
「原則6:権限を委譲する」について、紹介したいと思います。

カリスマリーダーは変革力は強いが、リーダー不在時に組織力激減

この原則6で主に取り上げているのは、
リーダーシップについてのお話。

成功している組織について語る際に、
私たちは、リーダーシップについて取り上げたがります。

いや、リーダーシップというより、
むしろ一人のリーダーに注目しがちです。

資料でも、

リーダーシップに関する多くの文献でもそうだが、
ビジネスの世界では、英雄的な個人のリーダーが賞賛されることが多い。

つまり、注目されるのはリーダーシップではなく、リーダー自身である。

と記載されています。
そして、この傾向は、NPO等の社会セクターでも、
なんら変わりはない。

社会セクターの中でも旧来の英雄タイプのリーダーが目立つ。
社会起業家個人の魅力が語られる傾向があり、
集団指導体制や協力型の起業家の行動などは、あまり注目されていない。

ま、この手のリーダーは、
「カリスマリーダー」とか「俺について来い」リーダーと、
いうことができるでしょう。

近年では、ジョブズとか孫さんとか、
あるいはユニクロの柳井さんとかの活躍もあって、

 「やっぱり、強烈なカリスマリーダーに権限を集中させないと、
  大胆なことはできないよね」

という風潮が強まっている感があります。

個人的に、独裁型リーダーの方が変革に強いことは承知していますが、
この手のリーダーの弱点は…

・「俺の野望を実現するために組織がある」と考えやすい
・リーダーがいなくなると、組織力が激減する

だからこそ、企業の場合は、
リーダーの暴走とかを食い止めるためにも、
株主に力を持たせているわけです。
ま、それにも限度はありますが。

ただ、株式会社でもないNPOの場合、
リーダーの暴走を止めるのは難しい。
(理事会が機能していれば、いくらかは止められます。
理事会については別の機会に記載します)

資料にも、

カリスマで構想力に長けた創設者で知られるNPOがどれほど多いことか。
こういった創設者は、後継者を探すのに苦労し、
長く発展する組織をつくるのではなく、

むしろ自分自身の壮大な理想を推し進めるために
組織を利用するようなリーダーであることが多い。

と記載されています。

自分が生きているうちに、その社会課題が解決すればいいですが、
そんなことは、まず絶対にありません。

前も書いたように、環境は日々刻々と変化し、
社会課題もその解決策も変わります。

カリスマリーダーは、往々にして変化に順応することが難しいのですが、
たとえできたとしても、リーダーがいなくなったら、
もうその社会課題に取り組めない、というのは、
組織として悲しいものです。

企業リーダーとNPOリーダーの違い

先ほど、企業だろうとNPOだろうと、
カリスマリーダーが賞賛されやすいと書きましたが、

企業リーダーとNPOリーダーとの違いは、
NPOリーダーは、強制力をもって人に行動させることが難しい。
これは大きな違いですね。

企業のCEOは、正式な権限を持ち、
経営者としてのリーダーシップを発揮して
人に行動させることができる。

しかし、社会セクターのリーダーは、
権威ではなく影響力によって他者を率い、
信念の力だけで人を動かさなければならない

要は、「言うこと聞かなきゃクビ」という影響力の差です。

NPOの場合、集まってくる人間は、
団体のミッションとか活動内容に共感しているのであって、
クビになることを恐れてしがみついているわけじゃない。

だから、命令したり怒鳴ったりするリーダーを恐れて、
盲従する必要はさらさらない。

企業出身者がNPOに来て、
つい企業リーダー感覚でスタッフに指示を出して、
周りから総スカンを食らう、なんてのはよく聞く話です。

偉大なリーダーシップスタイルなんてないが、権限分散は大切

さて、偉大なNPOといわれるNPOリーダーは、
どのようなリーダーシップを発揮しているのか?

ぶっちゃけ、
 「偉大なNPOはこういうリーダーシップのスタイルをとっている」
 なんてのはありません。

大きな影響力を発揮しているNPOのリーダーは、
実際のところ、それぞれリーダーシップのスタイルが異なる。
こういうタイプが成功するリーダーだという『神話』は、
結局、神話でしかない。

ただ、偉大なNPOの場合、
権限を分散させている傾向が強い。

No.2の役割が大切であったり、
権限を与えられた幹部職員が多数いたりします。

しかしよく調べてみると、
彼らには共通するある一つの重要な特質がある。

それは『より大きな社会の力となるために、
権力とリーダーシップを集中させない』ということだ。

次回は、右腕や幹部職員の重要性について、
ふれていきます。

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