『世界を変える偉大なNPOの条件』-19-

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しばらく、
NPOの協働、ネットワークのありかたについて、
原則と事例両方のアプローチの一環として、

『世界を変える偉大なNPOの条件』(以下、資料と記載)を、
題材に考えていきます。

今回は、偉大なNPOが持つ6つの原則のうち、
「原則5:環境に適応する技術を身につける」について、
紹介したいと思います。

前回の最後の方で、
これまでやってきたことを捨てることの難しさについて、
感情的な側面からふれました。

今回は、捨てる、言い換えれば
「何をやらないかを重視する」ということについて、
資料の記載をもとに、別の角度から見ていきたいと思います。

NPO版「失敗の本質」のワナは、逃れるのが難しい

「創造的だが秩序に乏しい組織が陥りやすい過ちは、
 あまりに多くの事業を同時に維持しようとして、
 資源投入の優先度がつけられないことである。」

資料には、こう記載されています。

その後に、資料の事例では、
「優先度の高い事業」が30個以上ある団体があるという、
記載がされています。

はっきりいって、30個は多すぎですよね……
組織の大小、営利・非営利とか関係なく、
より効果的に成果を出すためには、
いかに無駄遣いをなくすかが重要です。

まして、NPOの場合、
資源が限られているため、なおさらです。

「多くの事業を運営するには貴重な資源を大量に必要とする。
 才能を搾り取り、貴重な助成金をすり減らし、
 管理に多くの時間をとられ、注意を払わなければならない。
 
 活動が薄く広くなると、影響力を発揮する力も押さえ込まれる。」

ただ、NPOの場合、

「創造的だが秩序に乏しい組織」というよりは、
「情熱にあふれてメンバーの整合性がとれにくくなる組織」といったほうが、
しっくりきます。

 みんなが、「○○のために!」と情熱にあふれて、
 思い思いに動いてしまいやすい。

営利企業の場合、組織の秩序を保つ手法として、
金銭力を土台にした恫喝を用いることが可能です。
要は「いうこときかなきゃ、クビ!」で従わせる。

しかし、NPOの場合、その手法はほとんど意味をなさない。
そんな手法で従わせられるような人材は、
そもそもNPOに来るとは思えない。

というわけで、NPOの場合、
リーダーにカリスマ性がない場合は、
高い確率で無秩序、内部分裂の可能性をはらんでいる

「しかし、無秩序を封じ込めるのは簡単ではない。
 時には、内部崩壊を避けるために、
 思い入れの強い事業を手放さざるを得ないこともある。」

そのあとに、ティーチ・フォー・アメリカの事例が出ています。
草創期に始めた事業を手放した、という事例です。
あまり細かく書かれていませんが、
当然その過程で、内部分裂もあったでしょう。

まぁ、ある程度活動している市民活動団体やNPOであれば、
割と通過することになる道ですね。
ちなみに、この手の失敗事例として、
多くを学べるのは、『失敗の本質』でしょう。

『失敗の本質』をわかりやすく解説した本はこちら。

あの戦争当時、日本軍がやってきたことは、
まさに上記のNPOがやってきたことの真逆なので。

これを読めば、独裁型リーダーとしてやっていきにくいNPOが、
なぜともすると分裂しがちになるのかを理解できます。

「何をやらないか」を決めるための問いとは?

「結局のところ、適応とは、
 単にイノベーションや新規事業を生み出すことだけでなく、
 学ぶことであり、変化であり、
 
 そして、機能していないものを切り捨て、
 より大きな影響力を発揮しそうな新しいことを、
 行う余力を確保することである。」

日本社会全体をみても、耳の痛いところではあります。
さて、ここまでくると気になるのが、

「このまま継続するか、切り捨てるかを分類する基準は?」

というところでしょう。

資料では、偉大なNPOたちは、
以下の問いを行っていると記載されています。

「自分たちが優れているものは何か?
 最も影響力を発揮できるのはどの分野か?
 他にすでにやっている人はいるのか?」

…ま、よくある問いなのですがね。

この問いをベースに、
自分たちより優れた事業を行っている団体があれば、
自分たちのやってきたことを、その団体に委譲(M&A?)する。

そして、自分たちがすべきことに集中する。

次回は、「原則5:環境に適応する技術を身につける」のまとめとして、
PDCAサイクルをもう少しつっこんで解説します。

 

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