『世界を変える偉大なNPOの条件』-16-

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しばらく、
NPOの協働、ネットワークのありかたについて、
原則と事例両方のアプローチの一環として、

『世界を変える偉大なNPOの条件』(以下、資料と記載)を、
題材に考えていきます。

今回は、偉大なNPOが持つ6つの原則のうち、
「原則4:NPOのネットワークを育てる」について、
ネットワーク型組織の特徴だとか、
まとめとなる話をします。

NPOは「ヒトデ型組織」が理想。しかし、その道のりは険し

ネットワーク型組織の特徴として、
資料で紹介されていた本が、『ヒトデはクモよりなぜ強い』

タイトルだけ見ると、
ヘビとマングースの戦いっぽいものを連想しそうですが、
別に両者を戦わせているわけではない。

さて、何をもって、
ヒトデがクモより強い、といいたいのか?

「クモは頭がなければ死んでしまうが、
頭のないヒトデは、仮に腕を切り落としても、
新しい腕を再生し、切り離された腕は新しいヒトデに成長する。」

資料の引用より抜粋。

……って、クモに限らず、
たいていの生物は、頭がないと死ぬんですが。

それに、再生能力であれば、
プラナリアのほうが、よっぽどすごいのではないか。

プラナリアは、100以上の破片に分解しても、
それぞれの破片が新しいプラナリアになるんだそうですよ。

ま、プラナリアは見た目上、頭があるようにみえるので、
あえてヒトデにしたんでしょうけど。
ま、ヲタ話はおいといて。

で、この本、やっぱり組織論の本なのですよ。
この本では、組織形態を、
クモ型組織とヒトデ型組織という分類に分けているようです。

・クモ型組織:

厳格な階層を持ち、
トップダウン型リーダーと集権的な意思決定を行なう。
(軍隊や従来型組織、官僚組織が好例)

・ヒトデ型組織:

きわめて権力が分散されていて、
仲間同士の関係、分散型リーダーシップ、
価値を共有する協働型統合コミュニティに依存している。

ここまで書けば、

「偉大なNPOはヒトデ型組織だ」となりますわな。

「ヒトデ型はNPOの完璧な象徴である。
NPOは権力が分散されていて、
共有する価値観でコミュニティをまとめている。」

資料より抜粋。

って、この手の話は、最近あちこちでありますよね。
以前「負圧の組織」を紹介しましたが、
これも同様のおはなしでしょう。

“<社会起業とは>「負圧の組織」としてのNPO、社会起業の魅力とは”
http://ameblo.jp/p-sonic001/entry-11317907462.html

 

ただ、ここで、「NPOはヒトデ型組織だ」と
表現しなかったのは、

実際のところ、たいていのNPOでは、
権力が分散されているかどうかはあやしいから。

パッションにあふれた創業リーダーが、
組織をグイグイ引っ張っている。
意思決定、権力はリーダーが一元化。

たいていのNPOは、そんなもんでしょ?
ま、人数が少ない組織だと、
NPOうんぬん以前に、たいていそうなるでしょう。

偉大なNPOでないと、ネットワークのまとめ役はつとまらない?

組織内でさえも、
ヒトデ型な権力、権限の分散、
分散型リーダーシップがとられているといえば、
かなりあやしいNPOが多い中で、

まして、組織の枠を超えたネットワークが、
そう簡単にいくわけがない。

「一般に、社会変革を実現する際にネットワークが果たす重要な役割について、
NPOの分野ではあまり広く認識されていない。

口々に協力し合おうというのは流行りだが、
実際に協力する団体は少なく、
協力が、戦略的利益の点でなぜ重要かを
理解している団体もほとんどない。」

資料より抜粋。

口々に協力し合おうというのは流行りだが、
実際に協力する団体は少ない、というのは、
本当にそう感じますね。

資料では、なぜネットワーク、協働が進まないかについて、
あまり紙数を裂いていません。

ネットワークをつくるのは大変だから、
という結論になっています。

確かにそうなのですがね。

・ネットワークを作る過程において、
それだけのリソースを裂けない。

・「自分の見たものがすべて」で、
それ以外のことに思い至らない。
(「世界=自分の見えている範囲」)

ネットワークづくりの難しさには、
上記のような理由も、もちろんあります。
ただ、ぶっちゃけ、

「偉大なNPO(影響力があったり、規模が大きい)が呼びかけないと、
フツー、ネットワークの呼びかけに応じないんじゃね?」

という観点は、
なぜだか見落とされがちです。

いったい、だれが、
実績もない、有象無象の小さな団体による、
ネットワーク構築の呼びかけに応じるのか、って話ですよ。

当たり前すぎて、見落とされがち?
もちろん、社会課題があまりにも甚大で、
かつ緊急性が高いものであれば、

実績とか規模うんぬん関係なく、
ビジョン等を主体に、
ネットワークを築きやすいのでしょう。

ただ、上記の文は、
私は東日本大震災をイメージして書いています。
それくらいのことでないかぎり、
なかなか、有象無象な団体がまとめ役になるのは、
難しいのではないかと思うのです。

とはいえ、
偉大なNPOがつくるネットワークの役割の一端に、
ある種の名義貸しがあるのであれば、

実績もない、有象無象の小さな団体でも、
大きな団体のハートがつかめれば、
そこからネットワークの端緒を開くことはできます。

そうなると、結局、
ネットワークを生み出すはじめの一歩も、
まとめ役の語る言葉によるところがあるわけですね。

NPOは、つくづく、
言葉を売る商売ですね。

 
次回からは、
「原則5:環境に適応する技術を身につける」をとりあげます。

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